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ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) 新潮文庫
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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5★「我々はあなた方と闘ってきた」?カルタゴと湾岸戦争
本書はカビくさい古典ではなく、現代にも通ずるヒントの宝庫だ。
例えば、西洋人が考える「国際貢献」とは?124p180pによると、
ローマの「クリエンテス=同盟国」となったカルタゴとヌミディア。
ローマ人は決して両国を同列に扱わなかったそうだ。なぜか?
ヌミディアはローマ軍に兵力提供したのに、対して、
カルタゴは、小麦を供給するだけだったからだ。
カルタゴの使節は「我々はあなた方と闘ってきた」と主張するが、
元老院では嘲笑の的になる。『血も流さずにいて何を言う!』
このシーンを読むと、1991年の湾岸戦争を思い出す。
日本は多国籍軍に対し、一兆円を超える、130億ドルを拠出した。
戦後クウェートは、NYタイムズ広告で30カ国に対し感謝表明した。
しかし、その中に、Japan の文字はなかった。国辱だった。
日本の平和憲法は、西洋の常識に対し理論武装できているだろうか?
PS●他にも、114pマケドニア王のローマ評は必読だ。
このシリーズ、文庫版10冊くらい読んだが、ハンニバル編の5巻が
一番おもしろかった。友情・夫の義務・権力争い・英雄の熱弁…数々のドラマ見所アリ。
カルタゴの滅亡
依然としてイタリアにとどまるハンニバルをイタリアから追い出すために、スキピオはカルタゴの本拠を襲う。スペインを平定したスキピオ・アフリカヌスの進撃に恐れをなしたカルタゴはハンニバルに帰国を命じる。ハンニバル戦記と言われる第二次ポエニ戦役も、ザマの会戦をもって終わる。
本巻は、ローマ人による第二次ポエニ戦役の戦後処理と、その後に生じたギリシアの混乱、マケドニアとカルタゴの滅亡までが描かれている。
燃え盛るカルタゴを見つめながらスキピオ・エミリアヌスが言った「だが、この今、わたしの胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかわがローマも、これと同じときを迎えるであろうというという哀感なのだ」という言葉は、とても示唆的で胸に染みていった。
歴史上稀な天才同士のぶつかり合い
ハンニバル対スキピオ まさに名将同士のゾクゾクする対決。
イタリア国内でローマにも迫る勢いであったハンニバルであったが、戦闘だけでは一国を倒すのは難しいと感じさせられる。現代でも同じだが戦争と政治力はワンセットでハンニバルが犯したミスは政治的なかけひきだったか・・・。
また、歴史的にみてもローマの地中海制覇を早めたのが逆にハンニバルがローマを脅かしたが故だというのも皮肉であり歴史の妙味を感じさせてくれる。
戦争物語だけに本書が収まらないところはハンニバル戦役後の50年も経ってのカルタゴの抹殺を疑問視したり格名将の指揮振りを描いてあったりといった想像力と検証力でしょう。
ん?面白い
苦い勝利の味
ハンニバルとスキピオという 二人の天才が ポエニ戦役という舞台で最後にどのように振舞ったかを本巻は物語る。
史実として言うなら スキピオはハンニバルに完勝し ハンニバルはスキピオに完敗した。勝者と敗者がいる風景だ。但し この二人が 大きな歴史の流れの中に消えていく様も良く見えてくる。特に 勝者であったスキピオが ローマ帝国の内部のパワーゲームの中で不遇に死んでいく場面は印象的だ。ハンニバルの方が 自分の資質に忠実に生き、そして没落していった様に 幾分かの爽快感を含ませた塩野にして スキピオとの「距離感」が微妙にあると感じた。
本巻で 最後にカルタゴとマケドニアがローマに滅ぼされていく様が語られる。それは 必ずしも「ローマの勝利」を意味しているのではないと 塩野は言っているような気がする。
相手を滅亡させなくてはならないローマとは それまでの「敵を見方として飲み込む」というローマの哲学の「破産」も意味しているかもしれないからだ。
ローマとの「旅」は まだこれからだ。
スキピオ
名将スキピオとローマの反撃、そしてマケドニア・カルタゴの滅亡まで・・・
一気に読んでしまった。
特にハンニバルとスキピオの戦いは、大変興味深かった。
新潮社
ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) 新潮文庫 ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) 新潮文庫 ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)新潮文庫 ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)新潮文庫 ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) 新潮文庫
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