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トラウマの心理学―心の傷と向きあう方法 (NHKライブラリー)
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| 商品カテゴリ: | 医学,薬学,医療,看護,介護
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| セールスランク: | 80199 位
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援助の実際
近年、メンタルヘルスへの関心が高まり、数多くの書籍が出版されていますが、
”効果的なテクニック”で、短期間でクライアントが回復する様が書かれた本が
多く見受けられます。その単純な回復過程の描写イメージが、安易な気持ちで
癒しを提供するセラピストの増加の一因になっているように思えます。
そして、まさしくそういった、いい加減なセラピストの対応が二次被害になって
いるということも耳に入ってくるようになりました。
「心不在のケア・ビジネス」が新たな被害を生んでいるのです。
そもそも、他者に心理的な援助をするとは、そんなに簡単にできるものなのでしょうか?
この本は、実際の現場の状況を誠実に記述した数少ない本の一つです。
何らかの形で心理的な援助に携わりたいと志望している人には、必ず読んでいた
だきたいと思います。おそらく、今、自身が抱いている期待と希望に満ちた展望
とは、まったく異なる現実を知ることとなります。
援助職志望者には、援助の現実を知るために、
クライアントには、良い援助者、信頼できる援助者を探すための、
”転ばぬ先の杖”となる本です。
他者に心理的な援助をする職業を志す人には、他に
河合 隼雄先生の著作はもちろん、
村瀬 嘉代子先生、神谷 美恵子さんの本なども合わせて読んでいただきたいと
思います。
基本的な理解のために
トラウマ、そしてそれに伴うPTSDは、人が対処不能の事態に直面した時、だれもがかかる可能性がある。
本書は、多くの犯罪被害者や災害被災者のカウンセリングを行ってきた著者が、豊富な事例と統計を提示して、どのような局面で人がトラウマを負い、その症状がいかに理屈で割り切れない形であらわれるかを詳述している。
こうしたトラウマやPTSDは、ごく身近に観察されるものであり、メディアが生み出した社会現象に過ぎないという見方や、根性論で対処しようという見方は、トラウマを「ドラマの小道具」として使用するような通俗的理解と表裏一体で、現実的とはいえないものだ。
解離や覚醒亢進、不意に沸く怒りや自責、強い喪失感、生々しいフラッシュバック、さまざまな身体的症状が、「本人のコントロールの不能性」「侵入性」という特徴をもっている事もそれを裏付けており、専門的な理解が要求される。
本書の実例に示されるように、本人は前向きに生きたいと思っても、その力を奪われているのだ。
本書は、犯罪や災害においてもっともケアされるべき「被害者」について、私たちのすむ日本の社会がいかに無関心であるかということも教えてくれる。
日本の司法において、犯罪事件は「犯罪者と国の関係」として扱われ、「被害者」は当事者にもかかわらず疎外され回復援助の措置もなおざりにされていた。性犯罪の被害者も、届け出、訴訟、産婦人科への受診など、苦痛をともなう手続きのすべてを自分ですまさなければならず、傷ついた心のケアも自分で行わなければない。
海外ではそうした手続きを一貫して行う事のできる被害者センターがあるということを考えると、いかに「トラウマ」について無知である事が、重大な問題であるかがわかる。
著者の語るとおり、被害者は一般人がもつ通俗的な偏見(神話)に苦しめられる事が往々にしてあり、それが回復を遅らせるばかりか、セカンドレイプの形でますます傷を深くするという。
自分がそうした先入観を持って被害者や他者の苦しみをながめていないか再考を迫られる本だった。
同時に本書を読んだことで、他者のトラウマを理解したつもりになってはけっしてならないと感じた。
安易に「心のケア」という言葉に流されないために
大変読み易くわかりやすい本。NHKの「人間講座」テキストをもとにしているので、説明が丁寧で被害者を取り巻く状況について、具体的に詳しく理解できるように配慮されている。
コンパクトな内容の中で、PTSDの中で向き合いにくい「性的」な問題(被害者・援助者の立場)についてきちんと触れている事を評価したい。筆者の言うように
コントローラビリティ…それを自分でコントロールできる感覚を再獲得すること
セルフ・エフィカシー…自分は世界に対して何かをなし得るという感覚を再獲得すること
が、PTSDの治療の根底にあるとするならば、現代の心の病の根は日常生活の中に深くはびこっており、前途多難な思いを強く感じた。「心のケア」という言葉を安易に使ってはならないが、その必要性を改めて認識させてくれる良書である。
「被害が降りかかったあなたのために、まだ降りかかっていない私が何かできることがありますか」
本書は、犯罪被害者の援助をしてきた精神科医が心の傷と援助の可能性について述べており、その示唆するものは多い。読み進めるうちに、犯罪の被害者、遺族の心の傷を流行り言葉のような「トラウマ」という言葉を使って表現してはならないような厳粛な気持ちになった。「被害にあったのは自分が悪かったからではないということを知る必要がありますし、被害を受けても自分の価値は変わらないということが、頭ではなく心で理解されることが必要になります」と著者は述べているが、それがどれほど困難であるか想像に難くない。
この本は地震や災害現場にボランティアとしてでかける人だけでなく、トラウマティックな体験をしたと人と日常的に接するような職場の人―ICU(集中治療室)の看護婦、救急隊員、警察官、記者、災害救助の専門家などにも大いに役立つことだろう。多くの援助者がバーンアウト呼ばれる症状に悩まされているというが、著者の次の言葉事前に知っているのといないのでは援助者の心のあり方が全く違ってくるだろう。「知識を持つこと、このような危険があると知ることが大事です。つまり、つらい話を聞いて冷静でいることがむしろ不自然であるということ、それから自分自身が傷ついて、無力な人間であると感じるのは普通のことだということ、それを知るだけでも援助者はかなり楽になります」
重い話であるけれど、向き合っていかなければならない。
「トラウマ」と言う言葉を聞いたのは、いつになるだろうか?弁護士会の調査で、イギリスに派遣され、犯罪被害者支援団体の方々とお話しているときに、臨床心理士に聞いたのが最初か?1995年のことだと思う。 最初は、実体のない概念を理解するまでにかなり時間がかかった。 この種の本は、一部の心理学者しか書いておらず、犯罪者と向き合って、書かれ出したのは、大変喜ばしいことである。 こういう本を読んでおられる方が一人でも多くなれば、犯罪被害者の心情にもう少し気配りが出来るようになり、犯罪被害者支援の輪が広がるだろう。 その現場にいる人間としては、ぜひとも読んでいただきたい本である。
日本放送出版協会
心に傷をうけた人の心のケア―PTSD(心的外傷後ストレス症候群)を起こさないために 犯罪被害者の心の傷 トラウマを乗りこえるためのセルフヘルプ・ガイド PTSD 人は傷つくとどうなるか PTSDとトラウマのすべてがわかる本 (健康ライブラリー イラスト版)
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